お節介をした話
僕は1人で東京に行く時はもっぱらバスを使う。4時間弱だからまぁプライムビデオみたり、知り合いに下ネタを送ったりしているとすぐつく。
この時間感覚は、おっさんになったなぁと思う。
カレーをしこたま食べて、上野のカプセルホテル泊まって、大満足で帰りのバスが出る池袋駅に向かった。
東京の面倒なところって、単に◯◯駅でもJR駅なのか、地下鉄駅なのか田舎者にはわからないところ。
だから最初の方は、池袋駅東口といわれても、バスのホームページを覗いてもピンとこずヒヤヒヤしながら停留所を探していた。バス間に合わないんじゃないかっていう不安めっちゃ怖いよね。
まぁそんなことを考えながら、池袋東口に出発時刻の30分前くらいに着いた。
バスまで暇だから、辺りをうろちょろするかーって思ってバス停から少し外れた道に入った。
今、街で思い出したけど、昔モヤモヤさまぁ〜ずっていう番組が大好きだった。大江さんとおじさん2人が、ビジネスを越えないけど仲が悪くない、ちょうど良い距離感なの。そんな3人が、街にあるスベったものを茶化すのがシュールで最高だった。
携帯サイトも登録していて、よくわかんない鉛筆が当たったこともあるしDVDボックスも3つくらいかった気がする。街をブラブラするのって普遍的な人気があるみたいよね。
ブラブラするかーと思って12歩くらい歩いたら「西武バス待合場」の看板が。
こんな便利な場所あるのだと、おずおず入ったら、ほぼ満席。2階もあるみたいで、登ってみたら全員女性で、僕をジロリ。立て札には、2階の奥が女性専用って書いてあったんだけどなぁ。
権利意識高いなおい!とか思いながらもう一回下に下がって、おじさんの隣に座った。
そしたら後ろからなんだか、小さい声で泣きながら話をしている若い女性が。
なんせ1人だし暇だから聞き耳を立てると
女性「バス停には間に合って、近くにはいたんだけど…乗り場がわかんなくて…結局バス行っちゃって、次のバスが22時だし、お金も足りないんだよね…」
と、どうやらバスを乗り過ごして困っているみたい。その女性は、2人組で中学生?か高校1年生くらい。
こんなことあったら、せっかく東京遊びに来たのに嫌な思い出になっちゃうよなー。とおじさん助けるか悩み始める。とりあえずもう少し様子見。
どうやら、東京駅にいけば友達が来てくれて、新幹線代を立て替えてくれ遅くならずに帰れるみたい。
以下、僕の脳内判断会議のやり取り
「ここで、助けてなにこのおじさんって言われて警察呼ばれたらどうすんの?」
「違うんですよ!困っている人がいたら助ける助ける!それ以外に何かありますか!?」
「とは言っても助けるって、どうすんの?あんた現ナマ全然持ってないじゃん」
「だからまず困っているときはメイアイヘルプユー精神で、相手が拒んだら何もしなければいいんじゃないですか!」
脳内判断会議以上
海外大好き、英国紳士大好きだから、英語を出されたことで、理性に衝動が勝った。
「だ、だいじょうぶ?帰れる?」
と日本語怪しく声をかけてみる。
「あ、はい…。」
と女の子。
気がついたら財布を取り出して、1000円あげてた。1000円あれば山手線で東京駅まで2人で行けるでしょう。というか現金を全然持っていなくて、次の候補が5000円札だった。
こういう時にお金って大事よね。次に助けられる幼気なあなた、今度は10000円出せるように頑張る。
多分良い娘たちだったようで
女子「受け取れないですよ…。大丈夫なんで、、」
僕「じゃあ甘いものでも買って食べて」
と踏ん張る。だって出したもの返ってくるのが一番ダサいじゃん。
そうこうしているうちに、バスの時間が迫ってきたので、お土産に買っていたザラメ煎餅もあげてバスに乗った。
恐らく関西の方の娘たちだったと思うけど、無事に帰れたんだろうか。
「変なおじさんに煎餅もらっちゃった!気持ちわる!捨てよ!って言って笑ってほしい。
嘘!!めっちゃ感謝していて欲しい!!