おじさんのLINE
今日は日曜日。
昨日の夜、フットサルのことで相談があるらしく、知り合いが家に来た。
とりあえずごはんでもということで、レバニラと簡単味噌汁を作って出した。
その方は、上田で唯一友達らしい友達。10個以上上の、42歳。
どうやら、新しく入ったチームでLINEに入れと言われているらしい。でもその方はガラケー。そんなことにお金を掛けたくないし、ただでさえ忙しいのに、「既読」がつくコミュニケーションツールを導入したらどうしようもなくなると。
でも、チームメイトからの信頼を損ないたくない。そこで、僕に間に入ってもらおうとしたらしい。僕がライングループに入って、その方にPCでメールをする。そういう中間業務。別にやっても良いけど、何か違和感。
フットサルチームのLINE問題から、話題の枝葉は伸びる。
親の話題、格闘技の話題。そこから発生する色んな所用を、全てその方がこなしている。
結局、そういう雑務の受け手がいないと、所属している団体はどこも零細だからつぶれちゃうんだと彼は言う。
真実だと思う。田舎の趣味の団体なんて、どこもそんな感じでヒィヒィ言ってる。
僕が「でも、心臓マッサージを延々と続けるわけにはいかないですよね?」と言ったら、笑いながらがっくりとうなだれた。
「とっくに心臓は止まっているのに、僕の延命治療でしか生き永らえられない団体ってことですよね」と彼が言う。
「そう思います。やり続けるのもいいけど、●●さんも違う目標があるんじゃないですか?」と答える。
彼の目標は、子供を立派なスポーツマンに育てること。そのために自分の人生を捧げる覚悟があるという。
彼が忙しいのを受け入れ続けているのは、義理堅さもあるけど、結婚や子育てという自分で設けた人生のハードルを飛びたくないからだと思っている。
だから、飛び回って飛び回って、家に帰って寝る。その繰り返しで思考を挟まない。要は向き合わない。飛び越えるにはまだ早いってビビッて、忙しさで感じないようにしている。
だから、僕は「今の●●さんは、充分楽しそうですけど目標に近づいているかと聞かれたらそうじゃないと思います。だから、LINEの話も雑用が多すぎる問題も、とるべき手段は、目標に近づけるかどうかで判断したらいいんじゃないですか?」と提案した。
と言っている間に、彼はソファーで寝だした。夜風が少し吹き抜けて、ピアノ音楽がかかっていて満腹ならそりゃ寝る。
僕はパソコンを出して、彼に提案できるように調べもの。
LINEモバイルだと、ラインだけなら月500円くらい。電話番号を取得するには、スマートトークというのがあって云々。
起きた彼に、ラインや電話番号取得について説明をする。どうやら納得した模様。
帰り際駐車場で、もう一回話す。「きっとLINEを登録したことは、未来の奥さんと子供がいる小山さんが見た時に、『あれが無かったらこうならなかったはずだよね』、ってなると思います。だから、今は誰も分からないですけど最初の一歩はここからなはずです。」と言った。
そうですよね。と嬉しそうな表情。ありがとうございました、としきりに言われる。
僕にも目標があって、昨日の奉仕は、それに向かうための行動。自分のための行動。
だから、「ありがとう」は上滑りする。お互いそれが分かっているから。
そうやって思いながら、車を見送る。今日、ラインでメッセージ来るかな。