僕を考える

心の言語化の場所としてブログを書いています。

妻について④ もう戻れないよね

今日は、土曜日。無職には関係ないけど、一応雰囲気だけは休み。毎日休みなんだけど、休み感で体の中を満たす。

だから、今日は妻とタリーズに行った。TSUTAYAが併設されているタリーズで、コーヒーを買うと、TSUTAYAの本を持ち込んで読んで良いという素晴らしいシステムが導入されている。

僕は普段、散歩がてら片道40分くらいかけてTSUTAYAまで行く。そんでコーヒーを買うお金はないから、立ち読みしてまた40分歩いて帰る。

足を動かしながら、今日の昼間考えたこととか、どうすっかなーっていう思考を良い悪いなく全部だす。思考にならないときは、独り言で「そーだよな、これは違うって前に学んだよなぁ」っていう具合に声に出して、頭を整理する。

 

僕は昔から本屋が好きではなかった。本を読むことも好きじゃなかったし、本を読んでジッとしていることも苦手だし、本屋独特のインクの匂いで体調悪くなる。

でも、この近くのTSUTAYAは、タリーズがあって前述のシステムが導入されていてるのもあるけど、毎日行ける本屋。何だか空気感が良いというのか、澄んでいるというか本屋のうらびれた感じがなくて、行って疲れない。

 

そう、前置きが長いけど、妻との話。

 

付き合って、暫くしてから、僕の母親の恋人の体調が悪いというので彼女がマッサージをしに帯広まで行った。

その母親の恋人の話は、いつか記したいと思うくらい面白い人。社長でヤクザまがいなどなどなどなど、話のタネには困らない、田舎の権力者みたいな人。

 

その人が弱っているときに、初めて僕の恋人として彼女を連れて行った。おじさんの家は、庭に大きなケージがあってそこに大きな犬がいて、周りの家よりも3周りくらい大きい家だった。おじさんは、ベッドの上で謎のトレーナーを着ていて、嬉しそうだった。

マッサージを粗方終えたあと、おじさんは僕と彼女に「本当に付き合ってるのか?ハグしてみろ!」と言われた。

「?」となったけど、とりあえず軽くハグをしてその場は和やかな空気で終えた。

 

僕らは、付き合って1年経ったかな、それくらいの時に同棲をすることになった。

どちらが言い出したのかわからないけど、少なくとも僕の中には実家を出たい、という意思はあまり無かった。だけど、彼女は多分そうじゃない(後に発覚する)ようで休みの日となれば、家具を見に行ったり、アパートを見に行ったりした。

僕は、興味がないもののために休みの日に動くというのが嫌いで(その時は気付いていなかったけど)きっと家具を選ぶのも苦痛だったんだと思う。まぁあるよね、結婚式の段取りそのものを楽しみたい女性と、段取りには興味ない男性。みたいな構図。

 

僕はそれを脳内で言葉として形成する能力もなければ、この行為が嫌いだって声として発することもできない。だから、はっきりとした原因はわからないけど、なぜか内股が化膿し、痛み、歩けなくなったことがある。それでも肩を借りながら家具を見に行ったのは良い思い出。

 

今考えると、同棲って結構ハードル高いものだと思うんだけど、浮かれている僕は彼女と素敵な生活という名の、何の考えなし、意思なし、で同棲を始めることになった。

 

いざ、同棲生活を始めようとなった時期、いつも僕の実家の来客用駐車場に彼女の車を停めて、あぁでもないこうでもないって話していた。でも途中で、僕は自分がこの同棲についてどう思っているのか話さなきゃ、でもどう思っているのか言葉にできない状態だった。

話終わって、僕が家に入ろうとした時、急に言葉が浮かんできた。このモヤモヤを表す言葉で、かつ誰も傷つけない言葉が。

 

「今僕が、〇〇(彼女の名前)と同棲したら、僕の母は1人になってしまう、母がどう感じるかわからないけど、僕の双子の兄が1人暮らしを始める時には泣いていた。だから、母親が泣くかもしれない選択肢を自ら選ぶことはできないし、しないことを選ぶ」

と言った。こんな理路整然とはしていなかったけど、初めて彼女の前で泣いて、自分がこの同棲についてどう思っているのか言葉にした。

このあと、どういう話をしたのかも、どういう経緯で結局は同棲をしたのかは正直覚えていない。

 

でも、言えるのは彼女は、実家から独立をしたがっていた。もともと自分の母親とケンカをしてどっちが出ていくかっていう話まで出ていたそう。

だから、彼女が悪いとか強引に同棲に持ち込んだっていうつもりは、更々なくて、結果として、僕は「同棲には興味がなくて、母親が悲しむのが怖い」という立場で、彼女は「早く同棲というものをしてみたくて、母親とも離れて暮らしたい」という構図だった。

その構図が何をもたらすかって、一般論が急に態度を強めてくることだと思う。

「若い男女が同棲をすること」「親から独立すること」という、ある意味での暗黙知はどうしてそれが嫌なのか言葉にできない僕には抗いようがない。

 

だって僕の中の、「同棲が(間接的な意味で)嫌だ」っていう思いと対立しているのは、「彼女」と「暗黙知」と、「彼女が好きである」っていう3つ。適うはずがないよね。

 

そうして、同棲を始めることになった。僕の実家から地下鉄で4駅くらい、彼女の実家まで車で15分くらい、僕の勤務先まではちょっとだけ近くになる1LDKで6万円くらいのアパートに暮らすことになった。黄色い外観で、割と新しいアパート。

 

彼女が、母親の恋人からどういう風に思われていたのか、割とすぐにわかることになった。

もう理由は忘れてしまったけれど、ケンカをした。そして、僕は仕事だったのかな。家にいなかった。

帰る頃に母親から着信があって「〇〇ちゃんが来て、同棲した家を出ることにしたと。まず先に〇〇さん(僕の母)に伝えておこうと思って」とのことだった。

人生で初めて、頭の中で「ガーン」って音が鳴った。

それで、家に帰ってみると彼女の私物が全部ない、服も、アクセサリーも、トイレにあった生理用品も。

あぁ出ていったんだなぁ、大したケンカじゃなかったんだけどなぁ、って思いながら泣いて床に転がっていた。

 

次の日、休みだったので、実家に行って色々と話しをした。当然、母親は僕を心配してくれる。別れたほうが良い、絶対別れた方が良いって何回も言ってくれた。

だけど、大人に対して親が、こうしなさいって言って、その言うことを聞く訳がないじゃないですか。ぼくはなんとか彼女との関係を継続するために、なぜか親を説得する謎の展開。

母親が僕に言ったのは、母の恋人の言葉。「あいつは、やばいぞ。あぁいう奴は親に責任をとってもらうやつなんだ。」って言っていたと。

僕は母親の恋人を慕っていたし、大人として尊敬していた。だから、ダメージはデカかった。